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こんにちは、Ichi先輩(@Abstract1Life)です。
今回も本のレビューをしていきたいと思います。紹介する本は、ランドール・マンローさんの「WHAT IF ?」です。
まず言っておきたいのは、理系の人にとっては超面白いってこと。理系っぽい考え方の人じゃないと、ちょっと理解が難しいところもあるんだけれど、どの項目も興味惹かれると思いますよ。知識欲を満たしてくれること請け合い!
ホワット・イフ?――野球のボールを光速で投げたらどうなるか (早川書房)[Kindle版]
1.どんな本?あらすじは?
理系の一見するとバカっぽい質問に対して、著者のランドール・マンローさんが真剣に、論理的に回答してくれる本です。例えば、「地球にいる人間全員が一斉にレーザー・ポインターを月に向けたら、月の色は変わるでしょうか?」といったような質問。
回答はとても長いものになるけれど、要約すると、「普通のレーザー・ポインターでは全く変わらない」ということになる。
それでは面白くないということで、どんどんレーザー・ポインターの出力を上げていくとどうなるか?ということを、実際にあるレーザー装置で検証するんだけど、これまた考察が面白い。
こんな感じの極限系の質問と回答がバンバンある感じの本になってます。
2.他の本と比べてどこがすごい?どこが面白い?
普段疑問に思っても、深くは考えられないような問題に対して、著者がスパッと考え方を提示してくれるところがとてもすごい点です。質問自体は、Googleなどの企業の面接でよく用いられるフェルミ推定的な問題が多いような印象です。
フェルミ推定は、例えば「バスの中にオレンジは何個詰められる?」とかそういう系の思考実験ですね。
また、回答内容に関しても、ただ普通に答えるだけでなく、ユーモアが効いているものが多くて、その点でも楽しめるのが本書の特徴だと思っています。
3.この本の1番の魅力的なポイントは?
一番魅力的なのはこの本を読んでも「日常生活に全く影響を与えない」ことです。
基本的に知らなくても、全く日常生活に問題ないような質問や回答ばっかりです。「ウィキペディアを印刷するにはプリンターが何台必要か?」なんて全く必要ない情報ですよね?でも、そういう所が面白いんです。
日常生活に役立つ実用書も魅力的ですが、ここまで日常生活に役立たない本も逆に魅力が際立っていると思います。純粋に「知りたい」という知識欲を満たしてくれる良書ですね。
4.筆者はどういう人?
著者のランドール・マンローさんは、漫画家です。表紙の絵や書籍の中に書き込まれている絵はランドールさんによって書かれています。書かれてる挿絵は棒人間チックなものが多いんですが、不思議と愛想があるというか、キュートな絵です。これが漫画家の力だろうか?
でも、そんなただの漫画家に、理系の質問が考察できるのか?って思いません?実はランドールさんは、元々理系の大学で物理学を専攻し、卒業後にNASAで働いていた経歴を持つ結構スゴイ人なんです。小惑星に名前がついているらしい、すごい…。
英語が読めるって方は、こちらのランドール・マンローさんがやっているWEBサイトで色々なコンテンツを楽しめるので、おすすめです。
参考
xkcd: Hertzsprung-Russell Diagramxkcd: Hertzsprung-Russell Diagram
実際に「WHAT IF?」に書かれている質問もこのサイトで募集したものみたいですよ。回答の一部もサイトで公開しているので、試し読みしてみては?
5.本からどういう事を学んだ?
科学の力はやはり偉大ってこと。
フェルミ推定の問題でも、思考力を試されるけれど、根本には科学的な考え方があります。小説家は気持ちの動きで物語を紡いで読者の気持ちを動かしますが、科学者は事実から物語を紡いで読者の気持を動かすので、すごい事だとあらためて思いました。
単純に、信頼性が高い情報を教えてくれるので、そういった点も学びの1つになっています。
6.似たような本や読みたいと思った本は?
似たような本は「空想科学読本」です。アニメや漫画のキャラクターの、能力・設定などを科学的に考察している書籍で、日本人に親しみ深いキャラクターが特集されているので、読み始めやすいと思います。
例えば、ドラえもんの地球破壊爆弾で本当に地球が破壊できるのか?とかですね。
読みたいと思っている本は、「人間はどこまで耐えられるのか」という本です。
英題は「Life at the extreams」で私的にとても刺激的で興味惹かれるタイトルです。
この本は、オックスフォード大学の生理学の教授が、自ら人間の限界に挑みながら、科学的に生理反応について教えてくれる本のようです。「WHAT IF?」はあくまで、机上の空論的な形で、面白く解説してくれますが、この本では実際に教授自ら実験しているのが興味深い!
あまり科学に興味のない人でも、面白く読める1冊なのではないかなと思っています。
おわりに
今回レビューした「WHAT IF?」ですが、本屋で気になった項目をチラ見するだけでも十分に楽しめると思います。私の場合、気になる項目が多すぎたので、買って読みました。良かったら目次をチラ見してみてね!では、また。
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