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こんにちは、Ichi先輩(@Abstract1Life)です。
2016年1月8日に公開になった映画「傷物語Ⅰ 鉄血編」を見に行ってきたので、感想と評価を書いていきたいと思います。
原作は西尾維新さんのライトノベルである「傷物語」で、物語シリーズと呼ばれる、主人公の阿良々木君と怪異のおりなす物語を描いたシリーズの中の、時系列的に一番はじめとなる部分を描いたお話です。
前情報としてあったのは、映画の「傷物語」が三部作であるということと、本編が65分であること、そして、劇場に行くと西尾維新さんの書きおろし小説が4週連続でもらえるということです。第1週目は「混物語」という小説が付属してきます。
映画「傷物語」は、3部作で構成され今回は第1作目にあたる「鉄血編」です。題名は作中に登場する伝説の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード(以下キスショット)の通り名からつけられています。
キスショットは鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼であって、第一作目は「鉄血編」第二作目は「熱血編」第三作目は「鉄血編」となっています。
物語の概要
本作「鉄血編」は傷物語の主人公である阿良々木君がキスショットに出合って、吸血鬼退治の専門家たちと戦う算段を行うシーンまでを描いています。
映画は、阿良々木君が廃ビルの中をさまようシーンから始まります。廃ビルの中を駆け上り、屋上に出て、廃ビルさえ巣くった巨大な樹の周りにカラスが群がる中、そっと阿良々木君は佇みます。しかし、雲の隙間から出てきた太陽によって一瞬にして阿良々木君は炎に包まれだしてもがき苦しみ、屋上から転落していくシーンで場面が切り替わります。
場面はところ変わって「私立直江津高校の校門前」阿良々木君が信号を待っていると、眼鏡をかけた美少女の羽川翼と出会います。突風が吹くことによって、アレがアレするわけですが、それをきっかけに2人が知り合いになって道を歩きながらお話を始めます。
阿良々木君は友達を作らない理由を「人間強度が下がるから」と表現し、自分の弱点が増えるのと同義であると主張します。話をすることで少し距離の縮まった2人ですが、再び校門前に戻ってくると羽川が阿良々木君の携帯電話を借りて高速でアドレスと電話番号を登録します。こうして図らずも阿良々木君には友達が出来てしまったのだが、どこかウキウキした様子です。
夜になって、阿良々木君が本を買いに行った時に事件が起こります。突然道の照明が落ちて、地下鉄の入り口に大量の血痕が散らばっているのを阿良々木君は発見します。いてもたってもいられずに血痕の跡を追っていくと、駅のホームに金髪で美しい、そして血の凍るような瞳をした女が血まみれで手足がもがれた状態で転がっています。
この時羽川と話した「この街に吸血鬼がいる」という話を阿良々木君は思い出します。阿良々木君が吸血鬼に話しかけると、私を助けるために血をよこせと迫られます。ここで阿良々木君は一旦逃げるものの、吸血鬼の号泣する姿が目から離れず、再びその場に戻って死ぬ覚悟で血を吸血鬼に与えます。
目が覚めてみると、隣に少女姿になった吸血鬼を発見します。揺すっても起きないため、その建物内を捜索し、冒頭の場面に戻ります。燃え盛る阿良々木君を助けるために、少女姿の吸血鬼が外に飛び出し、自分も燃え盛る中何とか阿良々木君を屋内に引きずり込みます。阿良々木君は血を吸いつくされて死ぬのではなく、吸血鬼の眷属にされていたのです。
この吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードは伝説の吸血鬼で、油断したことで吸血鬼退治専門の3人組に腕と足を奪われてあのような状況になっていたことを阿良々木君に教えます。
吸血鬼になった阿良々木君は自分が人間に戻れるのかキスショットに問い詰めますが、阿良々木君を人間に戻す為には手足を取り戻して完全体に戻る必要があることを説明し、阿良々木君に手足を取り戻すように伝えます。
しぶしぶ街に繰り出す阿良々木君ですが、吸血鬼退治の専門家3人に囲まれなすすべなく恐怖でうずくまってしまいます。そこへ謎のバランサーを名乗る「忍野メメ」が表れて一旦その場は収まります。
忍野に言われるがまま廃ビルに一緒に戻ると、忍野が吸血鬼退治の専門家との仲介役を引き受けてもいいと言いだします。3人同時だと難しいものの、1対1では阿良々木君位勝機があると考えているキスショットは忍野に仲介を依頼し、本作はここで幕を閉じます。
テンポについて
まず本編が始まって感じたこととしては、場面の展開が少し冗長すぎるということです。私は物語シリーズに関しては原作も読んでいますし、アニメも見ていますが、今回の映画はどちらかと言えば原作のテンポに近いものを感じました。
原作では非常に言葉遊びをするので、お話の進み方のテンポとしてはかなり遅めです。それはキャラクター同士の会話や、キャラクターの中の考えの中で言葉をいじって、もじって、文字って遊ぶので、やや冗長ではありますが、楽しく読み進められます。
逆にアニメに関しては、絵も付いてくるので、そこまで言葉遊びでひっぱることもなく結構ポンポンと場面が切り替わって、テンポよく場面が進むことが多いように感じています。
しかし、今回の映画では、会話で間延びするのではなく、場面の描写でかなりの時間を使っていたように感じました。確かに細かく描くのは良いのですが、あまりにも長くゆっくりと場面を描いているところが多く思えました。これであれば、もう少し話を詰めて90分の2部作構成で十分に出来たような気がしてしまいます。
映画のボリュームについて
映画自体のボリュームの話に移りますが、かなりあっさりと終わってしまったような印象です。物語の最初の方こそ冗長な感じがありますが、後半に進むにつれてかなり盛りががってきます。ですが、盛り上がってきたなと思ったところで終わってしまうので、何となく物足りなさが残って、家で原作を読み直したくなります。それを狙っているのであれば大したものですね。
とにかく、さきほども述べたように、90分位はないと、他のボリュームのある映画と同じ代金を支払って見に行くのは少し控えようかなという気もしてきます。来場得点の小説が入手したくて見に来たという人も多いんじゃないでしょうか。
作画や描写について
全編を通じて非常に細かく綺麗に作画や描写がされていたように思います。キャラクターも背景も最高の出来だと思います。
ただ、けっこう絵で遊んでいる感がアニメの時よりも強いので、アニメ版のような結構「アニメアニメ」した感じの綺麗さを求めていくとびっくりするかもしれません。
映画版はかなり遊びが効いているというか、こだわりが強く描写されています。物語シリーズが所見の方は結構戸惑うかもしれませんね。
とてもよかった点としては、キャラクターがカッコイイし、カワイイところ。
羽川さんもだいぶ、ぷるんぷるんしてる!
いや、名言は避けますが、かなりプルプルです。キスショットもとても綺麗&カワイイのでそれを見に行くだけでも価値があるかもしれません。
あとは、アクションシーンの動きがかなり良いです。今回はまだ初めの方なので、アクションシーン自体はそんなに多くなかったので、ごく一部でしか動きの感じは見られなかったのですが、今後の2部、3部ではアクションシーンが多くなってきて、真髄が見られると思うので非常に楽しみです。
映画の評価
本作は本編が65分というだいぶ映画としては短い作品になっています。正直な見終わった感想として、やはり「短い」ということは感じました。本作はだいぶ場面の描写に時間をかけている印象を受け、だいぶ丁寧に作画されているのですが、盛り上がってきたと思った瞬間に映画が終わってしまうという感じです。
また、描写に時間をかけるがゆえに、前半部分はだいぶ冗長になっている感じは否めません。これだったら90分間にしてしまって、2部作で展開した方がいいような気もしてしまいます。
ただ、キャラクターや背景の作画などには非常に気合いが入っており、キスショットと出会う場面や忍野が吸血鬼退治の専門家の攻撃を受け止めるシーンなど、とても目を引き付けられます。本作ではアクションシーンがそこまでなかったのが残念ですが、2部作目、3部作目あたりはだいぶアクションが増える場面なので、とても楽しみです。
また、羽川もキスショットとても可愛く、丁寧に描かれているので、これを見るだけでも映画館に行く価値があるかもしれません。場面の描き方も非常に挑戦的で、アニメよりもだいぶ「遊んで」面白い表現がたくさん登場します。物語シリーズを知らずに所見で見に行く人は、何だコレと思ってしまうかもしれませんね。
本作を見に行くと4週連続で、西尾維新さんの書きおろし小説がもらえるのも魅力の一つです。4週とももらえる小説が違うので、なかなか悩みの種ですが…。
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